若手研究者のアウトリーチ活動の一環として公開・運営してゆきます

進学にともなう経済的支援

戒めとして、ブログの目的を書いてからもうすぐ1年。まったく有言不実行でしたが、ウズベキスタンから帰国し、日本の生活にも慣れてきて、もろもろの報告関連も一段落ついてきたので、そろそろ有言実行に移ろうと思います。背景として、このブログが役に立つだろう後輩にリアルで出会えたことも大きいです。きっかけを与えてくれてありがとう。

さてさて、(ブログの目的を除く)記念すべき初回のトピックは、「進学とお金:奨学金や授業料免除」と題して、進学にともなう経済的支援にはどのようなものがあるのか、大まかに全体像を示しておこうと思います。一つ一つの詳しい応募方法やポイントなんかはおいおい解説していこうかな、と思っています。

私がこれまでに受けてきた経済的支援は、プロフィールのページにまとめてありますが、他にも応募を検討したものは数多くあります。応募して不採択だったものもあれば、応募自体を控えたものも含めてです。

進学にあたって、どの程度の経済的支援が必要かどうかは人によってそれぞれだとは思いますが、私の場合、博士後期課程で学振に採択されるまでは、生活費(食費や日用品費、交通・通信費の他、遊興費など学業に関係ない支出分)は自身の労働により賄い、勉学に必要な事物(授業料や書籍代など)に対して奨学金等を充てていました。一般的な大学生の労働量よりかは多く働いていた分(誰かの扶養控除に入れないくらい)、勉学に費やせる時間は相対的に少なかったものの、大学雇用のアルバイトをしたり、労働の質やバランスにこだわったことで仕事と勉学の両立は可能でした。それに、結果的にバイトを通して得たものがその後の大学院生活を支えることにもつながっているので、すべての時間を勉学に費やせるほどの経済的支援を受けなくてもやっていけるよ、ということだけ前置きしておきます(仕事と勉学の両立や大学雇用のバイトについては別稿で書きます。

経済的支援の概要

それでは、本題に入ります。進学にともなう経済的支援には、貸与系、給付系、免除系、助成系、業務系にわけることができます。具体的には下記のようなものがあります。

  • 日本学生支援機構の奨学金
  • 民間財団や地方自治体等の奨学金
  • 大学独自の給付/免除制度
  • 日本学術振興会等の特別研究員
  • 留学等の研究助成
  • 表彰等にともなう副賞
  • TA、RA等のアシスタント業務

日本学生支援機構については、よく知られていると思いますが、貸与奨学金(無利子の第一種と有利子の第二種)、給付奨学金、さらに留学向けの貸与奨学金があります。また、大学院限定ではありますが、貸与奨学金の返還免除という制度も存在します。借りた分を全額ないし半額チャラにしてくれるという激アツ制度なので、大学院では躊躇なく第一種奨学金なら借りた方がいいと思います。

民間や自治体からの支援にかんしては、貸与型、給付型、給貸併用型等、ほんとにいろいろあります。推薦可能な大学が指定されていたり、応募可能な学部の種類や出身地等、細かな要件がそれぞれにあるので、これについては自分で調べる必要があります。ふつうは所属する大学が情報提供してるのでさがしてみましょう。

大学独自の給付/免除制度にかんしても、大学によりけりです。ふつうは成績優秀な学生を顕彰するために設置されてるはずなので、自分の所属専攻のなかで1〜2番の学業成績を修めれるように頑張りましょう。国立大学の入学料/授業料免除については、事前に申請が必要です。私立大学でも最近は予約採用型には事前申請が必要な場合があるので、これから大学受験をする方は志望校のパンフレット等を早めに熟読しておきましょう。

特別研究員については、大学院の博士課程に進学する/している方のみ応募可能です。月々お給料のような研究奨励金20万円が2〜3年もらえることに加え、科学研究費(いわゆる科研費)として年100万円前後を受給できます。他に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」、「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」、「国家戦略分野の若手研究者及び博士後期課程学生の育成事業(BOOST)次世代AI人材育成プログラム」、理化学研究所の大学院生リサーチアソシエイト等、似たような条件の採択制度が存在します。

研究助成についても、基本的に大学院の博士課程以上の方が対象です(なかには修士課程で応募可能なものもあります)。ふつうはリサーチプロポーザルの審査を受け、そのうち採択された課題に対して助成金がもらえます。留学助成については、学部/大学院どちらも応募可能なことが多く、上述の日本学生支援機構の貸与奨学金の他に、文科省のトビタテ留学JAPAN、民間財団等からの給付があります。それから、大学ごとに交換留学制度を利用すれば経済的支援を受けられるケースもあるので(授業料が優遇されたり、補助がでたり)、留学を検討している方は調べてみましょう。 

表彰制度については、学内のものと学外のものがあります。性別や分野別になっていることが多く、全体として数は多くないです。たいてい推薦が必要です。運によるところも大きいので、収入源としては考えずに、時々自分が対象になりそうなものがないかチェックしておく程度でいいでしょう。学内のものなら、申請せずとも表彰してくれることがあります(金額は大きくないです)。

アシスタント業務については、労働の対価を頂戴するかたちなので、経済的支援といえるかどうか微妙なところですが、大学院生活の継続を支える点で、私はこれも含めていいと考えています。学部でもないわけではないですが(実際に私は学部2年の時から雇ってもらっていました)、ふつうは大学院生が雇用対象かと思います。自分の所属機関にはそういうものがないこともあると思うので、広くアンテナを立てつつ、経済的に困窮していることを教授陣にアピールしつつ、どこかの枠にすべりこみましょう。

おわりに:心構えとして

今回の記事はざっとこんな感じです。

前提として書いたように、これらをすべて受給する必要はないですし、自分の生活や勉学にかかる費用を算出して、それに見合うものに応募すればいいと思います。何らかの給付を受けると報告義務等も生じますので、あんまり量が多いとそういった雑務が増えて大変ですし、そのせいで勉学に集中できないとなると本末転倒です。「お借入れは計画的に」ではないですが、たとえ返済義務がなくとも、支給団体の期待に応えれる範囲内にとどめておくのが賢明かな、と個人的には思っています(ちなみにこの考えは、欲張って出した分がすべて落ちた個人的経験に基づきます)。

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